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国際
ムバラク前大統領に終身刑 死刑回避で反発必至、混乱拡大も
2012.6.2 20:59
【カイロ=大内清】エジプトで昨年1~2月に起きた大規模な反政府デモで、デモ隊への発砲を命じた殺人罪で死刑を求刑されたムバラク前大統領(84)の判決公判が2日、首都カイロ郊外の特別法廷で開かれ、同法廷はムバラク被告に終身刑を言い渡した。死刑が回避されたことで、反政府デモを主導した民主化勢力が反発を強めるのは必至。
中東の衛星テレビ、アルアラビーヤによると、ムバラク被告の弁護人は控訴する方針を明らかにした。ムバラク被告の裁判は、民主化運動「アラブの春」で退陣に追い込まれた独裁政権のトップが身柄を拘束され、罪を問われている唯一のケース。
今月16、17日には、ムバラク被告に近いシャフィーク元首相と、同国最大のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団傘下、自由公正党のモルシー党首との間で大統領選の決選投票が予定されており、今回の判決が両陣営の対立激化と混乱拡大を招く可能性が高い。法廷の外では判決直後、同被告の死刑を求めるデモ隊と治安部隊の衝突が起きた。
ムバラク被告とともに訴追された元内相、アドリ被告も終身刑を言い渡された。裁判長は、両被告が「デモ隊への発砲をそそのかした」と認定したが、直接の命令は証明できないと判断した。アドリ被告の部下6人は無罪だった。
一方、ムバラク被告とその息子2人らによるイスラエルへの天然ガス輸出に絡む汚職事件は公訴時効で免訴、公金横領罪では無罪が言い渡された。
ムバラク被告は、民衆デモで退陣に追い込まれた昨年2月まで約30年間、大統領の座にあり、古代エジプトの王になぞらえて「現代のファラオ」とも呼ばれた。デモでは市民や警官ら約850人が死亡した。
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